さまよえる蒼い変人

我が成長曲線を綴り、「怒り・疑問・不満」を昇華していく

『124』健在意識へ働きかける 著 製造現場の見える化の基本と実践がよくわかる本

f:id:forza-milito178:20200107165831j:image

「📕著 製造現場の見える化の基本と実践がよくわかる本」

見える化の意義

who 誰が見えないのか?

what 何が見えないのか?

when いつ見えないのか?

where どこで見えないのか?

why 何故見えないのか?

how どのように見えないのか?

そしてこのような見えないことがどのような功罪を与えるのかを考えていく

→上記の諸の見えない状態が「ムリ・ムダ・ムラ」を生み出す。そしてこれらの積み重ねが企業収益を圧迫していく

 


暗黙知

Tacit knowledge

言語化できない知識。

 


・モノがどこに、どれだけ、どの様な状態で見えないと

*材料・加工品工具・治具を探すというムダが発生し、その間正味作業ができず手待ちになる

*製品が見えないと、また新たに作ってしまう作りすぎのムダを誘発する

*仕掛品・加工品が見えないと、作りすぎや工程間の不良在庫を抱えてしまう

*不良品・保留品が見えないとら良品の中に不良品が混入したり、いつまでもほったらかしになったりする状態が生まれる

 


・現場の適正在庫の水準は把握しておきたい。

 


QCDS

Q 品質

品質が見えない状態だと、不良が見えにくくなり、いつ・どこで・どれくらい不良が出たか掴めず、タイムリーに対応できないとともに、原因も潰せなくなる。対応が後手になれば、ムダなコストが嵩み、顧客にも損害を与え反感をかってしまう

C コスト

コストが見えない状態だと、儲かっているのか、儲かっていないのか把握することができず、投資をしても利益が殆ど出ず、疲弊感のみ募る

→コストが見えれば原価意識が湧く

D 納期

納期が見えない状態だと、生産計画に対するイレギュラー対応が頻繁に発生し、現場に混乱を与える

S 安全性

安全性が見えない状態だと、ヒヤリハットが頻発し、そこから事故を引き起こす。

 


「方向性が見えないと」

・あるべき姿が見えず、お互いのベクトルが合わず、バラバラな動きになる

・自分の役割が見えず、指示待ち人間が多くなってしまう

→明確であれば、自律的になれる。納得感が得られる

 


「全体や経営が見えないと」

・自工程の作りやすさを優先し、大ロットや好きなタイミングで作ってしまう

・工程間の流れが悪くなり、在庫が発生し、リードタイムが長くなる

部分最適に終始し、工場全体が見えなくなる

→顧客視点に立った全体最適が図れる

・会社の将来に不安を覚える

・自分の作業に余裕があっても、他者を手伝うことがなくなる

→繁閑に応じて応受援する助け合いができる

 


見える化の狙い

「見える→認識する→思考する→判断する→行動する」回すための本質的な役割がある

 


・改善行動を始めるにあたって「基盤」が作られていなければ続かず、始まらない。

①5S   ムリ・ムラ・ムダを排除するための環境づくり

見える化  改善ニーズをみえるようにすること。改善ニーズが見えれば、自ずと改善行動に繋がる

③人づくり  改善行動を通じて人を育てること。人が変われば、組織も変わる

 


・5Sと見える化は、管理・改善の基盤を構築する上でも欠かすことができないもの

 


・改善は事後報告、すなわち結果報告だけで終わってはならない。必ず巻き込み、改善行動のプロセスを作っていく

 


・整理が完了したら、整頓フェーズに

 

 

 

・清掃は必要な時にすぐに作業ができる状態を維持することです

→汚い所からは品質不良や設備故障も発生する。このようなトラブルを起こさないように日常点検しながらメンテナンスすることも清掃

 


・清掃を通じて愛着を持たせ、モノを大切にする心を育てる

 


「躾」

・ルールや規律を明確にする

・お互いに信頼でき、協力し合う組織風土を作る

・ちょっとくらいいいだろうということから綻びが生じる

・トップ自ら範を示す

・自分の責任範囲を明確にし、意識する

・後工程はお客様と考えて行動する

・挨拶は躾の基本

 


・服装の乱れは安全面にも繋がる。ルールを守らせる上で大事なことは、ルール違反を見つけたらその場で正します。毅然としかることが大切

 


・標準作業票は、作業者ごとの作業範囲と標準作業3要素(タクトタイム・作業順序・標準手待ち)を示したもの

→作業者の動きや機械の配置を見える化したもの

 


工数

ある作業を行うのに必要とされる延べ作業時間・仕事量。一般には人数と時間の積で表される。

 


動線・作業範囲を見える化する」

動線は単純化、複雑か

動線は短いか、長いか

動線が行ったり、来たりしていないか

動線の交差は多くないか

動線が同じところを何往復もしていないか

動線は直線的か、曲線的か

・人の動線とモノの動線の関係が悪くないか

動線のINからOUTへの流れはどうか

 


・平準化されていなければ、設備・人・在庫などをピークに合わせて準備してしまい、原価の高いものになってしまう

 


「設備故障履歴簿」

設備が、故障・停止・修理した時は、日付・時間・原因などの記録を設備単位で取り、未然防止につなげる

→定期点検・交換・メンテナンスなどの対策が可能に

→今回の交換日、次回の交換予定日までも表示し、誰もが気づく工夫をする

 


・真の能率を追及するために

10人で10個のところ、9人で10個作り、1人は改善に投入

 


・設備稼働を阻害するムダには、

①故障のムダ

②チョコ停のムダ

③段取り・調整のムダ

④不良発生のムダ

 


・タクトタイムは、標準作業の三要素の一つであり、一個どれだけの時間で作れば良いかという標準のスピードを表す。

 


・タクトタイム

一日の定時稼働時間÷日当たり平均必要数

 


「作業手順書」の作成法

①手順は短い文章で簡潔にする

②作る製品の機能を考える

③過去の不具合の再発防止を織り込む、異常処置を入れ込む

④手順書に不具合があったら改訂する

*写真なども取り入れる

 


「動作経済の基本原則」

①動作の数を減らす

材料、工具などの置き方を工夫し、モノを探す、選ぶのムダな動作を減らす

②動作を同時に行う

両手が自由に動作できるようにし、その自由な手を手待ちに状態にしない

③動作の距離を短くする

身体を動かす距離が長くなれば運動量が増え、労力が余分にかかり動作時間が長くなる

④動作を楽にする

かがんだり、背伸びをしたりといった無理な姿勢で作業せず、判断などの心的努力を最小限に留める

 


・品質管理の基本的な考え方

①悪いものは作らない

②悪いものは流さない

③万一不良が発生した時は、その範囲を特定する

 


○製造原価 製品の製造活動により要した原価(材料費、労務費、製造経費)

○材料費 製造に使用する材料、部品などを消費したことで発生する原価(原材料費、買入部品費など)

 


労務費 人材を雇用する事で発生する費用(製造部門の賃金、法定福利費など)

 


○経費 材料費、労務費以外の製品の製造に要した費用(減価償却費、水道光熱費など)

 


○販売費 販売活動に要した原価(販売員給料、広告宣伝費)

 


一般管理費 一般管理活動に要した原価(減価償却費、本社労務費)

 


・物流には、調達物流、生産物流、販売物流があり、それぞれを見える化し、リードタイムの短縮・在庫の削減を図る

 


「重大事故発生時の対応」

異常処置発生時の報告手順や報告ルートを見える化し、いざというという時に迅速で適切な処置ができるようにしておく

 


・工場内に掲示する書類やポスターには、掲示期限を明示し、掲示期限を経過した書類は廃棄する。古い書類を堂々といつまでも掲示するようであっては、かえってマイナス。常に最新性の維持を心がける

 


「ファイリングで見える化

①同一業務・プロジェクト毎別にファイルを作成する

②ファイル内の収容は探しやすく、追加返却しやすい方法とする(番号順、日付順、部署毎など)

③書類量とバインダー厚さを比例させる(少なすぎず、入れ過ぎない)

 


・「見える化」とダイエット

みえる→意識する→努力する→痩せる

 


・表準備から標準へ

無駄をたくさん含んだ現状をまずは見える化する

 


「"カイゼン"の具体的なプロセス」

①現状の把握

②目的・方針・テーマの選定

③改善目標の設定

"改善の投資対効果"を意識しながら決める

④要因解析

目指す姿とのギャップを確認。要因を整理。重要な要因を抽出

⑤改善案の立案

効果性と実効性の高いものを立案

⑥改善の実施

費用対効果やスピードの優先順位付けを行い、実施する

⑦改善成果の測定

成果がどれほどかを定量的に図る

⑧標準化・歯止め

成果の現れたものに対し、標準化を行い、同様な問題が起きないよう歯止めを講じる

⑨運用と水平展開

他職場へ検討

 


・不良対策として取られたチェックの仕組みもチェックすることが仕事になっており、チェックの目的を見失っているケースがある

 


・在庫水準を下げる事で、管理力が増す

在庫が少ないと

*欠品しないために納期に敏感になる

*不良品を減らそうとする

*工程間の停滞を無くそうとする

 


・管理はそもそもは企業活動の目的ではない。目的は収益を上げる事。管理は手段である。管理の目的は維持と改善活動である。管理も費用対効果の高い手法を取らなければいけない

 


「知恵を見える化する」

・知恵の共有

暗黙知形式知として伝承していく

定期的な発表会などでの共有化も有効。他の職場への汎用などにも繋がる

 


労働生産性 出来高÷労働量(労務費、工数)

 


○資本生産性 出来高÷資本投入量(設備など)

 


○原材料生産性 出来高÷原材料投入量(歩留まり、原単位)

 


損益計算書PLの売上高経営利益率に寄与する(省人化による原価低減などで)

貸借対照表BSの資本回転率に寄与する(リードタイムの短縮による在庫削減などで)

 


改善効果 改善によって得られる良い結果

(経営の数値に現れない)

改善成果 改善を通じて組織が成し遂げる良い結果

(効果を成果としてもぎ取って、はじめて経営の数値に現れる)

 


「在庫運転資金を見える化する」

リードタイム短縮が経営に寄与すること

①必要なキャッシュフローの減少

②在庫による金利負担の軽減

③オーダー打ち切り時の在庫リスクの軽減

④部品手配、在庫管理などの間接費の低減

⑤在庫スペース減少による多目的転用

経営体質の強化に

 


見える化で会社は変わる」

・場づくり

個々の課題や問題をあれこれ指摘するのではなく、自ら考え、自ら行動する人づくりを図らなければならない

 


見える化度が企業のレベルを表す