『136』著 「見える化」のことが面白いほどわかる本
「📕著 「見える化」のことが面白いほどわかる本」
「性格診断に使われる「ロールシャッハ・テスト」は、意味のないインクのシミでも、人や心理状態によっては、全く違うものを見出し、解釈していることを利用しています」
○老婆心
自分の心遣いを、度を越しているかもしれないが、とへりくだっていう語。老婆心切。 「 -ながら申し上げます」
・「機会損失」とは、適切に管理していれば防げたはずの損失のことです。見えるようにすることで、損失の多くは事前に防げるようになります。それが「機会利益」です。管理・監督者の最も重要な任務は「人財を育成しながら、機会利益を最大にすること」だといえる
・見える化の目的は、「役立つ情報をタイミングよく提供して管理・改革活動を推進し、利益体質の儲かる会社にすること」です
→管理・改革を進めるのに役立つ情報とは、「マイナス」情報。起きては困る、利益につながらない情報。ex.遅れ・停滞・異常・故障・目標・基準未達等。
→現職場の「マイナス」箇所の共有の見える化スペース創出も面白い
→計画遅滞・数量過不足・歩行の不具合・機会設備の停止・異常・動作不具合・予算・原価超過・残業時間の増加・ムダムラムリ
→掲示物だけでなく、7つのムダの「見える」共有も大変有益
・見せ方には①短期的掲示(逐次更新)②長期的掲示(継続的掲示)に大別できる
→掲示の仕方としては「グラフ的写真・絵」
「時系列」「目標との差異」
☆見える化は"右脳"を刺激する
科学者理論によれば、まず人の頭は右脳よりイメージを想起し、左脳で論理を組み立てる。なので、潜在意識に働きかけられるよう、わかりやすく写真・絵・数値で構築していく
・「5s」ができないと始まらない
5sにおけるポイント
①導入期(1年間)は、整理・清潔・清掃に1.5ヶ月かける
②サイクルのはじめに「整理」を実施する
③清掃・清潔には「設備・建屋保全」を含める
④整頓には「レイアウト改善」「ファイリング」を含めます
・見える化のポイント
①絵や写真を多用する
②カラフルにする
③大きく見やすくする
・「目標管理」の目的はその掲示板の前で「会話」が生まれ、きっかけで行動が生まれることである
・一年目は「導入期」二年目は「発展期」三年目は「確立期」
・在庫削減で資本効率を向上させる
・4つの視点
①財務の視点
②顧客の視点
③業務プロセスの視点
④学習と成長の視点
○一般的な財務指標
「安全性」
・借入依存度
・売上高
「収益性」
「成長性」
・売上高増加率
・経常利益増加率
・人の上に立つ人には勇気・決断・リーダーシップが問われる
・改革には社内のみんなの参加が必要
・見える化がうまくいかない理由は、形だけの導入にとどまり、本質的なものを押さえていないから。
失敗要因
①5s、標準化、文書化、目標管理という基盤条件整備を省略し、手抜きをする
②「マイナス情報」を見せることが徹底されず、当たり障りのないボヤけた情報・良い情報しか表示されない
③場所やスペースを考えず、暗い・狭い・不便な位置にボードが設置され、みんなが集まりにくく、話しにくい
④経営者や上司が関心・熱意を示さず、歩き回る経営をやらない
⑤顧客や指導者の言いなりになり、自分たちの知恵を付け加えない
⑥ボードの前で仕事や改革をする方法・習慣を身につけない
「見える化ボードの条件」
①部分的に担当者にまかせることはあっても、全体の管理責任者は職場長
②目標管理が根幹にあり、その効果的・効率的な実現に役立つ情報を表示する
③改革を効果的・効率的に進めるために、マイナス情報を浮き彫りにし、そのプロセスも、リアルタイムに近い形で明示する
④個人の役割分担・スケジュールも、必要に応じて明示する
→人目でわかるような資料配置と作りが肝
→見える化ボードの運用ルールを明確にしておく
・管理・改革は、あるべき姿(到達目標、基準)を明確に示し、現実・実績との差異を浮き彫りにして、それを迅速に埋めるように活動を進めていく
→その為の手段として「点検・報告」をする
・会社経営にとって最も重要な指標は
①従業員満足度
③各種財務指標(売上高、売上高利益率、資本回転率など)
「コックピット経営」
担当者は"最新情報"を逐次貼り替える
→月一で"月次成果発表会"も面白い
・各部門の目的は
①人材育成
②目標の達成・業績向上
「マイナス情報を浮き彫りにする掲示物」
・クレーム、重大不良、災害、事故、設備故障など見逃せない情報は、発生のつどその内容・原因を明示する
・問題改革の第一歩は、その内容を精査し、明らかにすること(現状把握)。現状把握が不十分な原因として
①普段からデータ取り、それを収集し、分析する体制・仕組み・習慣できていない
→普段からデータを蓄積していれば、問題解決の山登りの五合目まで登っているのに匹敵する
○ワークサンプリング(瞬間観察法)とは、人や設備を見た瞬間の状態を記録し、稼働率を掴む手法。人の場合は「作業」と「余裕」に分け、作業を更に「主」「付随」「準備」に分ける。これらの時間構成比率を掴み、価値の低い順、つまり余裕→準備→付随の順に時間を短くする対策を打っていく
「データを取ったらグラフにせよ」
問題点を直感に感じ取れる様、折れ線、棒、円、レーダーチャートにグラフ化する
・"原価"を原料費、経費、労務費に要素分解できる
・労働生産性(生産量÷労働時間)と付加価値生産性(付加価値÷従業員数)
・製造現場では、生産性向上が至上命題です。歩留まり・時間あたり生産量・単位あたり所要時間(タクトタイム)・稼働率
・労働生産性向上には
①生産量の増大
②労働時間の削減
・付加価値生産性向上には
①一人当たりの生産高/売上高の増大
②人員の削減
③原材料費の削減
④外注加工費の削減
⑤部品購入費の削減
⑥諸経費の削減
・良い情報も悪い情報も全て情報として「見える化」しよう