『152』著 論点思考
「📕著 論点思考」
・BCGでは解くべき課題を論点という
→そもそも適切な問題設定が行われないと解決に時間がかかったり、効果が生まれない
・重要なことは問題を解き始める前に真の問題を把握することから
グローバル勝ち組企業の中でよい提携先はどこか<どの会社と自社が勝ち組になれるか、相手を勝ち組にできるか
「いきなり凶悪犯罪を減らすことはできないし、それより小さな犯罪を徹底的に取り締まった方が簡単だし、結果として街が安全になる」
・まずは論点を疑うところから始めて、適切な論点設定を行う
「論点思考の論点」
課題に優先順位をつけて絞り込む
→優秀なコンサルタントは全ての問題を解決しようとはせず、課題を1つに絞ってそれを解決することに注力する
→仕事には期限がある。工数も限られている。多くの問題から選択し、解いて成果をあげなければならない。そう考えると問題選びが大切。
・本当の論点は何か?を探る為には、まずはどんな論点がありそうかをリストアップする必要がある
・初心者は与えられた課題について解くべき論点であるとなんの疑いもなく、作業を始めて、結果として顧客・上司の満足する解決策を見極めることができずに失敗することが多い
・目に見える現象だけを捉えても問題を解決できない。その奥に潜む真の問題に気づくことが大事
→論点を見つけるには「本当にそれが論点か」とつねに疑問を持つ。これが問題だという人の話を聞いても「何故か?」と思考を止めてはいけない
○ トライアル
試すこと。試み。試行。特に、運動競技の試技、また予選試合。「タイムトライアル」
・論点らしきものが目の前に現れた時以下を検討する
①解決できるか、できないか
②解決できるとして実行
③解決したらどれだけの効果があるか
・解けない問題にチャレンジするのは無駄である。大事なことは仕事で成果を出すこと
・「モンテカルロ・シミュレーションという手法を使い、それぞれの要素の成功確率が何%あって、どんな分布をしているのかを想定し、それをもとに実際にコンピュータを回して何千回、何万回と試してみる。その結果、技術開発が成功して黒字になることは一万回に200〜300回の可能性しかないことが判明した。今から百億円突っ込んでこの事業で利益が出る可能性は2〜3%しかなく、赤字百億円の出る可能性もある」
・解決できるとわかっても、手持ちの経営資源(ヒト・モノ・カネ)で実行可能か、最後までやれるか?を考える必要がある
・BCGのシニアコンサルタントには「時間軸とパフォーマンスの二軸で考えて、短時間で一番効果の上がるものを論点にする」と明言する者もいる
・大学入試の論点は「いかに大学に合格するか」であって「いかに難問を解くか」ではない
→「あれもこれも」では結局、何もできない
「商品力に問題があるという可能性も捨てきれないのであるが、初期の論点としてはチャネルの問題が筋が良さそうだということになる」
「論点は無数にあるが、結局は相手次第。クライアントが何を望んでいて、何を望んでいないのかを考えて論点を設定していく」
→ビジネスパーソンにとって重要なのは、トップや上司がどんな問題をときたいと思っているかだ。評論家になるのではなく、自分が上司の立場であれば何を考え、何をするかと考えてみると良い
「業界内、他業界で、同じテーマを解決した経験、同じテーマでチャレンジしている前例に学ぶ。また、ビジネスとはまったく違う世界の話からヒントが得られる場合もある」
「経営者や本社にいるスタッフは、大所高所からの視点でビジネスを見ることが多く、えてして現場の眼を忘れがちである。現場の人間がどのような思いで働いているのか、顧客接点で何が起きているのかを忘れて大きな絵ばかりを描いてはいけない」
「現場の人間は日々の業務や目先のトラブル(虫の眼)に追われがちで、ついつい全社の視点や市場全体の視点(鳥の眼)でものを見ることを忘れがちである。たまには一歩下がって自分の業務を見直すことが必要」
「PPM分析。2つの軸を市場成長率と相対的マーケットシェアとする」
・マイケル・ポーターの三つの基本戦略(差別化/集中/コストリーダーシップ)
・製品ライフサイクル
・アンゾフの成長マトリックス
・論点思考を的確に行う能力を身につけるには、日頃から「本当の課題はなにか」と、とことん考える姿勢を通じて、経験を積む必要がある。この姿勢があるかどうかでものの見方・考え方がまるで違ってくる
「視座」
二つ上のポジションについているつもりで仕事をする
・自分の思い込みで自分の都合の良い情報だけを拾って、ロジックを組み立ててしまう。どのような事実を見て、それをどう解釈したのか。という思考のプロセスは意識しない
「メンバーの力量に応じて、論点のレベルを使い分ける」
プロジェクトメンバーや部下に「これが大論点だから、皆さんこれを考えよう」というと、メンバーや部下は普通はまったく動けない。あまりにも論点が大き過ぎて、どこからどう手をつけていいのか分からなくなってしまう。したがって、メンバーが実際に仕事をしてこなせるあるいは動ける単位に落としていくというのが、中論点とか小論点。
→優秀なコンサルタントは中論点を与えられても、自ら小論点に分解していく能力がある
一方で、未熟なコンサルタントに対しては諸論点に分解して与える必要がある